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1743. .   30S−1 と 漏電ブレーカ    - 尾崎 嘉徳 - 2022/02/20(Sun) 13:32 - [削除]
 ちょっと前に 30S-1 と漏電ブレーカの話があったので「コリンズ物語」本でその部分を見てみました。
そしたら何か違和感がありました。結果から言うと、コリンズの設計に文句を言っているのではなく、アメリカの電気事情にも精通した電気屋さんに確認した結果、日米の商用電源の考え方が異なることがわかったので報告します。えへん。
 100V または 200V の商用電源を使える機械は通常 100V 巻き線が2つあるトランスを用いてそれらを並列、または直列にして対応しているものと思っていました。ところが 30S-1 には商用電源につながるトランスが3つもあり、2巻き線方式のトランスはプレート電圧用の一つだけであり、その他の整流管ヒータ用トランスやバイアス電圧用トランスは 100V 巻き線が一つしかありません。また冷却用ファンも 100V 専用でした。商用の単相 200V はセンタータップ方式で 200V の真ん中でアースに落ちており( 通常、単相三線引、200V 動力の場合は三相四線引と言い、必ずアース線が一本ある。)、 100V、グランド(中性点)、100V であり、線の繋ぎ方で 100V、200V のどちらにも使えるようになっています。
また、以下の Web にあるようにアメリカはスター結線で日本はデルタ結線と異なっています。
https://www.toyo.co.jp/material/casestudy/detail/id=30280
一見同じように見えるのですが漏電ブレーカを考えると 200V で使う場合に違いが生じます。ご存知のように漏電ブレーカは往復の電線に流れる電流の総和が 0 でない場合は正規でない場所に電流が流れたと判断して電流を遮断します。30S-1 を日本の 200V で使う場合は 100V、中性点、100V の3つの電線に流れる電流の総和が 0 である必要があります。またリニアを使う人は保安のために機器本体にアース線を接続しているものと思います。日本の機器の場合は2つの 100V に流れる電流の大きさは等しいため中性点は常に中性点ですが、30S-1 の場合は2つの 100V に流れる電流の大きさが異なるため機器本体の中性点が中性点ではなくなります。そうすると電柱のトランスについている中性点(アース線)と 30S-1 の中性点の間に電流が流れ、漏電ブレーカを通過すべき電流が通過せずその電流の総和が 0 ではなくなり、漏電と判断され、漏電ブレーカが働きます。
 なお、漏電ブレーカの感度は 30mA くらいとのことです。
 アメリカの漏電ブレーカがどのようにして働いているのか分かりませんのでわかる方は教えてください。

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