196. 相変わらず、昔、習ったことです - 淺海 直之/JA1OWP - 2012/06/29(Fri) 00:20
尾崎さん
「上下の切り方」と「40万の法則」は裏表ですね。それで、蒸し返しますけれど、私が教わったのは「100万の法則」でした。オーディオの世界の話でなくて、ベル研究所の通信における研究で、“了解度”だけで言えば「百万の法則」が謳われたと記憶しています。電話などでは百万を維持することで限られた帯域という条件で一番了解度が良いが得られる、と。コリンズはこれを引いていると思います。典型的な例としては、下が300で上が3,000、のような。逆に言えば、低い方を下げると、高い方を持ち上げないとダメ、です。最近流行りのハイファイ(もどき)SSBを実現しようとして、下を150とすると、何と7K近くにしないと、モガモガ感が残る、ないしは、了解度(=明瞭度?)は損なわれる。
そうやってみるとエアラインの機内アナウンスって(航空機と管制官等も同様)、あれが極限の了解度重視の周波数帯域ではないか、と思いますけれど、あれは思い切って下を切って上は3KHzぐらいにして了解度を上げているように思うのですけれど。
勿論、了解度を上げるためにはプロセッシング等の工夫も必要で、周波数帯域だけで片付けようとするのは無理がありますけれど。
それと、歪み率と“了解度”、ないしは“良い音”のことも大きなテーマですね。無歪みの音が果たして良い音として聞こえるか、です。オーディオの世界でも、最近の半導体アンプの歪率は、真空管式のものと比べると何桁も違うぐらいに低い。それで勝負がついたか?と問われれば、相変わらず、真空管式アンプに限る、なんて御仁が沢山いるのは、何故?面白いですね。
淺海 直之
JA1OWP/KE2HP/JQ2UNY