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104. 30番のこと - 淺海 直之 - 2012/03/27(Tue) 10:59
お早うございます。以下、長文、お許し下さい。

尾崎様、橋下様、どうも30番の話になると血が騒ぎます。ということで、早速ですけれど。

尾崎さんが紹介していらっしゃる『コリンズ物語』にも、「これだけの完成度と品格を兼ね備えたリニアアンプに巡り逢うこともなく淋しい限り・・・・」とあります。全く同感です。

さて、尾崎さんが紹介されているコメントで「トランスを焼く・・・」ですけれど、30番のトランスのサイズは、その後の多くのリニアアンプのものと比較して大きいことこそあれ、小さくて役不足なんてことはない。勿論、トランスの能力はサイズ、大きさ、重さだけで量ることなんか出来ないけれど、使用後にトランスに触ってみると熱くもなっていないし、余力はあるな、と感じます。因みに、大きさはH:24/W:22/D:13(センチ)ぐらい、重さは30キロはあったと思います。

勿論、コリンズ社は、当時の米国での法規制に配慮し、飽くまでも許されている最大入力(1KW/DC入入力)を標榜しているし、トランスだけではなく、例えばブロアー能力も、それに合わせていると見るべきでしょう。が、この伝で言えば、他の多くのリニアアンプの能力など、概ね、この1/3位しか公言できないのではないかと思うほど(チャチ=失礼!)です。(念のためですが、立派なトランスを持っているリニアもありますが。)

かと言って30番の最大出力は、実際、せいぜい1.3KWぐらいでしょうか(それ以上に押すとIgが流れ出し、AB1クラスから逸脱する)。何より、プレート電圧とスクリーングリッド電圧が低目に設定されていることもあり、しかも、ブロアーの能力と温度センサーの設定など、当時の法律を遵守する姿勢の表れと思っていますが、、、、

1500Bに変更するメリットは、球単体が持っている優れた奇数寺歪み特性を活かすことであって、増力の要素はない(少ない?)と思います。実際、アイマック社の発表する動作例でも出力は、4CX1000Aでは1600ワット強に対し4CX1500Bは、何故か1100ワットぐらいのものが例示されています。因みに、1500Bの方には奇数寺歪み率が示されていますけれど、1000Aのものにはありません。前者が(RF)直線増幅管であるのに対し後者はC級を含む電力増幅管だからではないかと思います。

繰り返し、何故か30番の話になると血が騒ぎます。お騒がせしました。

淺海 直之 JA1OWP/KE2HP/JQ2UNY

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